消費税の未来・軽減税率は自由、民主、共生の精神を「ないがしろ」にする

たまたま、中小企業家同友会のホームページを見かけた。中小企業家同友会とは、昭和22年に中小企業の存立と発展、社会的地位の向上を目的として結成された全中協(全日本中小企業協議会)から発展した、全国規模の協議体です。

私には全く関わりのない団体ですが、「人間尊重の経営」という理念が、消費社会の一側面をあらわす文章に使える気がして、部分的に改変して書きなおしてみました。

中小企業家同友会は「自主・民主・連帯」の精神を「人間尊重の経営」の考え方の基本と唱えています。アンダーラインが改変した部分です。

かけがえのない消費生活を保証するー消費者の尊厳(自主、自由

消費者は何を買うのも自由です。買った商品をどのように消費するかも自由です。消費する喜びも皆違います。同時に、誰もが無限の消費意欲を持ち、消費への挑戦を自主的、主体的に継続できる環境の保障が大切です。人間が働くことを通じて自分の成長を見出し、働きがい、生きがいを実感できる税制こそ人間の自主性が発揮され、個人の尊厳(自主)が尊重される税社会といえましょう。

(食べ物を買えば軽減税率、携帯ゲームにお金を使えば贅沢な娯楽だ、という上からの決め付けは自由な消費行動を阻害する。)

いきること、平等な人間観と価値観が民主主義の根幹ー財産の尊厳(民主)

消費者が生きていくためには、最低限の生活保障が必要です。社会で働くことは、本人及び家族の生活を維持、安定させることが大前提です。国家としては、生活を守り、賃金を保障する、公平公正平等納税環境を整備することが法的にも義務付けられています。

「人間一人ひとりが持つお金の価値観は皆違う」といわれますが、これは人類が長い年月をかけて確立した財産の尊厳を守るという人間尊重の価値観であり、そこから平等な人間観が育まれ、民主主義の原点を形成してきたといえるでしょう

(高所得者の千円と低所得者の千円と、価値観は違うかもしれません。しかし買える品物は同じ市場価値を持っています。だからこそ、税の負担率に逆進性のある消費税は、平等な人間観を破壊します。しかも軽減税率は高所得者の軽減額を増大させます。)

あてにし、あてにされる関係を生み出すー人間の社会性(連帯、共生

消費者は孤立して生きることはできません。消費者がより人間らしく生きていくためには、相互に信頼し、「あてにし、あてにされる関係」を尊重することが大切です。このことで、お互いに手を携えあって社会を築いていくという、人間の社会性が高まり、ほんものの連帯をあらゆる消費経済社会の中でつくっていくことができます。

 経済社会では、国と納税者間はもとより、事業者間の取引仲間と信頼しあい、共に育ちあう関係が育まれることによって、お客様や地域社会からの信頼を高めることができます。

(益税という小規模事業者へのあらぬ疑い、みなし仕入率という、計量税額ではない推計税額による徴税。小規模事業者は転嫁できないと言い、消費者は内税でしょと言う。税を転嫁する仕組みの無い「消費税法」によって破壊されてしまうものが、消費者と事業者間の信頼、連帯、共生の精神ではないでしょうか。)

 

引用した原文は

用語集(人間尊重の経営):同友会紹介:中同協(中小企業家同友会全国協議会)