消費税の未来・「消費税」は宝物を振り出す「打ち出の小槌」か?

大黒天が持つ「打ち出の小槌」。欲しいものが何でも出てくる便利なグッズだ。この週が明けてにわかに「消費増税風」が吹いてきた。我々庶民からみれば、ほんとにやるの?という気持ちは根強い。軽減税率が適用される品目や、同じ品物でも消費をする場所やタイミング。それらを前もって店員さんに申告する義務など、今までの生活感覚と異なる日常的な対応が求められている。それにも増して制度上の納税者である事業者も、税率ごとの区分経理、日常のレジ会計、集計作業など求められる作業負担も大きい。

しかし過去二回にわたる増税延期があったおかげで、もう口先だけの脅しにはすっかりと慣れてしまった感がある。騒ぐのはうまいこと軽減組に納まった新聞だけと疑われても致し方ないだろう。複数税率対応のレジスターや会計ソフトなど、導入準備が進まないのもこのような経緯によるとも考えられる。

裏返して考えれば庶民は消費税を負担をするのだが、その消費税を消費者から集めて納税する作業をするのも、事業者を構成する庶民なのだ。両方の立場で今まで無かった面倒くささを想像するのもややこしい。

日本商工会議所が9月末に発表したアンケート調査がある。

中小企業における消費税の価格転嫁に係る実態調査 調査結果(概要)

    https://www.jcci.or.jp/files/180928_gaiyou.pdf

商工会議所会員企業3277件の回答のうち、売上高1億円以下の事業所では、軽減税率制度を含む経理方式の変更準備が完了または準備を開始している比率は20%に満たない。この調査にも「二度あることは三度ある」の心理が働いている。

さらに先程オンエアされていた恵俊彰の「ひるおび」では、コメンテーターが、「税の支払いについて日本人が少しづつ「うそ」をつくようになる」と発言している。これははじめから店内で飲食しようと思っても、持ち帰りと店員に申告する場面を想定しての事だ。(10月17日放送)こうなると日常の決済場面で、今まで続いていたお互いの信頼関係が毀損するいとぐちになってしまう。この点は消費税が導入された当初から同じような事がある。私自身小規模な商売をしているが、お客様から面と向かって「消費税を納税していないのに外税で消費税を取るのか」と言われた経験がある。そして未だに益税は許せないとおっしゃる方もあるが、それも確実な転嫁が実現できているという仮想の概念に由来する。

消費税が「打ち出の小槌」と言われて久しい。税率さえ上げれば税収は思ったとおりに徴収できる。政治家にとっても消費税は「打ち出の小槌」に違いない。2014年の衆議院選挙では、小槌を振って圧勝する議席を振り出した。大黒天に扮した首相が次の選挙時もこの小槌を振ると分かっている庶民には、軽減税率などあさっての話にしか聞こえないのも頷ける。

そういう私自身、その消費税を直接消費者が国庫に納税する装置と方法とプログラムで日本国特許をとってしまったのだから、私にとっても消費税は「打ち出の小槌」になる可能性だって捨てきれない。ただこれだけは確かだ。振り出される宝物。それは個人個人が直接消費税を国庫に納めることにより、消費税の累進課税、または低所得者への税額ポイント給付。つまり逆進性が解消する事。何より確実に税額の転嫁が実現することで、徴収漏れが発生しない点が優れている。この「打ち出の小槌」が地球市民の求めてきた公平中立簡素な税体系である「スマートタックス®」という宝物を振り出す事を夢見てブログを更新中です。   2018/10/17