消費税の未来・白タクウーバーでアベノタックスを考える

Uber Technologies,Inc.(ウーバー社)が、指向するビジネスモデルは、一般消費者が望む需要に一般庶民が応える「CtoC商取引」をインターネットを使い斡旋することのようだ。

例えば民泊。海外から来訪した旅行者に、一般家庭が宿泊場所を提供する。例えば古着のリサイクル。古本CD、中古車、一戸建ての家屋。全てのリセール財産は、インターネットオークションや独自のアプリで一般消費者から、一般消費者へ再販売する事が可能な時代となった。

もちろん民泊にしろ白タクにしろ、日本では種々の法的な規制がある。旅客を安全に移動させる、宿泊させる。これらサービスを利用する消費者の安全は最大限に守られなければならない。しかし地域的な特区制度や、利用者の安全を保証する保険加入義務が実施されたうえで、運用実行が現実となれば、ここでも消費税の本質に関わる問題点が発生する。

今回の「消費税の未来」では、消費者が消費者に対価を支払う「CtoC商取引」に、消費税を課税できるかについて考えてみる。

 

国税庁のホームページ

ホーム税について調べるタックスアンサー消費税基本的なしくみ>No.6109 事業者とは

によると「消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引に課税されます。」

 

と書かれている。つまり一般庶民が不要な衣類を、ネットオークションで換金しても、消費税は課税されない原則となっている。

仮に今後、ウーバー社と支援企業により、この日本で白タク斡旋が可能となった場合、「商取引」にかかる消費税はどうなるのであろうか。

ウーバー社のアプリの仕組みを想像してみる。白タクの利用希望者は、ウーバー社のアプリをインストールする。クレジット決済やGPS位置情報、提供された白タクの運転者に対する好感度、などを情報としてウーバー社に送信する仕組みと思われる。

支払い決済はクレジット支払いとなる。支払先はウーバー社なので、当然に消費税は加算されている。例えば税率10%で1000円の乗車距離ならば、支払い決済は1100円となる。

ウーバー社の斡旋手数料を10%とすれば、1100円の税込乗車運賃の内、税込110円を税込手数料としてウーバー社は徴収する。そして白タク提供者には税込990円が支払われる。

なぜなら、今年の3月に可決された軽減税率の仕組みでは、インボイス制度導入後3年間は、免税事業者からの仕入れについては、仕入れ税額相当額の80%を控除することが可能となっている。

つまりインボイス制度が導入されない現在であれば、100パーセント税額を控除可能であるので、白タク提供者には税額まるまる90円を含めた支払額990円が対価として保証される。

(リバースチャージという手段もあるが、この手法については、改めて詳述したい。)

ここで結論とすることは、ウーバー社が売り上げる数◯◯億円の売上の内、かかる消費税の納税額は、ウーバー社が手にする仮に10%の手数料のさらに10%でしか無いという事実である。

仮の数字で表すならば、ウーバー社の口座に入金する税込金額が110とする。手数料は10だ。その一割の1がウーバー社が納税する消費税額となる。最終消費者が支払ったはずの10の消費税額のうち、9は免税事業者又は一般消費者ドライバーが手にする。もちろん車両整備や保険料、ガソリン代にかかる二重課税の消費税額は原価として存在する。しかし9のうち国庫に納税されるのは一部分のみ。

つまり100の売上高にかかるはずの消費税額10のうち、斡旋手数料にかかる消費税額1の部分しか、直接的には国庫に納税されることはない。

これらの話は法定外の仮想に仮想を重ねた想像上のことなので、なんとも心もとないが、「税の信義」を追い求めたら、ふと思い至ったことです。

ちなみに現在の消費税法は、BtoB,またはBtoCの関係においてのみ、徴税機会を設定していると思われる。

これからはCtoC 消費者間取引にも着目をして、課税ベースを拡大するのもひとつの案と思われる。アベノミクスも聞き飽きた。これからはアベノタックスで勝負はいかがだろうか。

決済数値の複数化がアベノタックスを支えることは間違いありません。