消費税の未来・竹下登首相の6つの懸念。増税をはばむ3つの理由

消費税導入時の竹下首相が示した6つの懸念とは、1,逆進性 2,中堅所得者の税の不公平感 3,所得者のかからない人たちに過重な負担 4,税率引き上げが容易 5、事業者の事務負担 6,物価上昇インフレ だという。

6のインフレについては杞憂で済んだ。税率が上昇するに伴って、際立つ問題点は逆進性となる。この逆進性に対する対応策が、「軽減税率」の導入と決められた。他にも「給付付き税額控除」という案があるが、所得と資産の把握の点でその実現性は遠のいている。

しかし実際に「軽減税率」を導入するには、事業者の事務処理、現場決済処理など、いくつもの難題がある。しかも双日総合研究所吉崎達彦氏の溜池通信486号に提示されている、平成版6つの懸念など、消費税が経済活動自体に及ぼす影響も見過ごせない。今日(2016年3月)の時点で本当に、来年四月に「軽減税率」が実行されるか、税率が上昇するのかは、混沌としている。

ここにきて増税延期の3つの理由が報じられている。

1,三人の経済学者が参加した国際金融経済会合で、言外に示した増税延期の方向性

2,軽減税率を実際に導入した場合の、事業者の事務負担と社会的混乱の可能性

3,今現在でさえ、消費意欲が乏しい上に、増税がなされたら更なる消費の落ち込みの可能性

ここまで増税懸念が明らかならば、いっそのことサミット前に安倍首相自らの信念として増税延期を打ち出すのが、安倍さんらしい。多分野田前首相以外は賛同すると思います。

ここで話題を変えて、「平和の俳句」について一言述べたい。

平和の句とは、東京新聞中日新聞が募集している、朝刊一面に掲載される一日一句です。いとうせいこう氏と金子兜太氏が選者となっている。今年の三月六日付の句に選ばれたのがこの句です。

「日の丸は 戦うための 旗でない」   石川県七尾市 奥井淑子 91歳

どのような思いを込めて作られたのか、読む人によって感じ方も一つだけでは無いのだろう。

そこで私も、この句を真似て 俳句にはならない句を作ってみた。

消費税 貧富をひらく 税でない

自分自身で解説をしてしまうと

本来なら税は社会負担の分配の機能を果たす。そこには富の再分配の意味もある。応能負担の原則もある。しかし税そのものが弱肉強食の理論に則ってしまったら、はたしてそれは税と言えるのか?

ならば消費税そのものが、個人個人の能力に応じた負担を求める仕組みでなければならない。所得税との相互作用でバランスを取るのが消費税であるならば、過去0から3,3から5、この税率上昇期に所得税の累進度は軽減されている。逆の現実がそこにはある。

仮に前々回のブログ「消費税を直接税にする話」のように、最終消費者が直接国庫に消費税を納税する仕組みが実現できれば、消費税は格差を拡げる「税」ではなくなる。

日の丸の旗でさえ、国際間の競技でも、無くてはならない象徴です。しかしかつては世界の三大大国と戦った無謀な国のシンボルとなっていました。

91歳の歴史を目の当たりにした婦人が、問いかけようとしているその気持を、さまざまな視点から読み解きたい。