消費税の未来・小規模事業者にとって、税額転嫁は夢の夢
私の店の主力商品は、100円から500円の均一商品である。
消費税が導入される前から、変わっていない。一時、103円や105円、本気で108円に値札を変えようと思った時もある。
消費税が導入された直後、100円のお買い上げ毎に、外税会計で、3円分が頂けた時もある。その時は税額転嫁が明確であった。
ところが、内税表記に時代は変わった。それからずるずる値札の区切りは、100円単位である。
転嫁は出来ないということだ。店の商品を買うも買わないもお客様の胸先三寸。わずかなサービス心が、お客の心にも伝わるのだろう。おかげさまで、それから27年細々と家族を養うことが出来た。
たぶん私などは、まだ救われる立場かも知れない。思えば利幅を確保できる商品の品ぞろえ、日常の生活必需品とは決して言えない、余暇充実型の商品。多少時間がたっても陳腐化しない商品。そんな恵まれたアイテムだからこそ、年々、わずかな消費税を、納税して、滞納することも無く、暮らしてこられた。
果たして、ものを売る立場の人間で、原価はいくらで、利益がいくら、それに税額転嫁がこの金額、といったように十分な自信と勝算で値付けができる企業、会社がどれだけあるのだろうか。
小売商店の利益と支払い人件費の、11分の1を税として取り立てるって言うんなら、分からないでも無い。それは小売売上税ということだ。営業税と言っても良い。
それは消費者のふところとはなんにも関係無いはずだ。「消費税は最終的に消費者の支払った価格に転嫁されていることが予定される。」という詭弁は通用しないと思うのであるがいかがだろう。
軽減税率などと言って、消費者が支払う税額が軽減されるような考えは、どこかの誰かに意識コントロールされているとしか思えない。
私が食料品を商うなら、仕入れ税額は現状維持だ、せめて売値本体価格を下げないように、価格維持を徹底するだろう。たかだか2パーセントの価格差だ。実際消費者が支払う税込価格は良くて今のまま。単にほかの税種目と比べて2パーセントの価格差が発生するだけだ。