消費税の未来・絶妙に命名された「消費税」と納税意識

消費税という名称が、誰によって命名されたのか、私は知らない。当時の自民党税制調査会であるのか、大蔵省の官僚によるものなのか。

消費税法が成立したのは1988年。大蔵大臣は首相兼務の竹下登氏であった。この消費税法という名称は、その後の日本に大きな功績をもたらした。

この消費税の申告納税者は事業者である。事業税、営業税と呼んだほうが実体を表している。1987年中曽根内閣で国会に提出された「売上税」法案は、事業者を中心に国民的な反対を受け廃案となっている。

翌年の12月竹下内閣で成立した消費税法は、売上税と異なり税額票方式を採用しない新型間接税であった。特徴は以下の5点となる。

1,税額票なし 2,帳簿上で税額を計算する 3,特例措置として簡易課税制度を採用 4,税率は3% 5,非課税項目を10項目に絞り原則課税とする 

参照 我が国の消費税の現状と今後の方向性について(中間報告)2012 日本公認会計士協会

http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/files/2-3-24-2b-20120524.pdf

今回のブログでは「消費税」という名称が納税意識に与えた影響を考えてみたい。

循環迷路に落ち込むな

「売上税」から「消費税」と名称が変わり、新型間接税は成立した。この消費税制度を円滑に運用するために、国民が心がけることは

1,誰が納税者か、担税者か、を考えない

2,転嫁の有無を考えない

3,逆進性を考えない

この三点に尽きる。それぞれの課題に真剣に取り組んでしまうと堂々巡りの迷路にはまり込んでしまう。しかし聡明な先人が命名してくれた「消費税」という名称のおかげで、国民の納税意識は輝かしく成長した。何しろ初めてのお使いの時から、「国民は消費税を払って社会負担するんだよ」とサラリーマンのお父さんも我が子にさとす事ができる。

一方どんな商いの事業者も、消費税の負担者は、名の通り消費者と信じ込むことができる。原価経費に利益を乗せて、販売価格を決めさえすれば、あとは税率かけるだけ。消費税申告の納付書を銀行窓口に出す時だって、お客様からの預かり物と納得できる。そこでほんとに転嫁ができているのか、などと思うのは、売上が減ってしまった事業者だけだ。売上高が法定に達していなければ、大抵は免税か簡易課税事業者となる。

昼間は事業者、夜は消費者、等しく国民は双方の立場でこの税に向き合っている。何の矛盾もない調和された税制度だと誰もが思う。

掟を破ったのは誰だ

消費税率3%までは、確かにそうであった。5%になってすこし風向きが変わった。もしかしたらせっかく作り上げた日本式消費税を台無しにしたのは、国そのものかも知れない。税率が8%になった今、政府自ら「逆進性対策」という、口に出してはいけない政策を実行してしまった。

もうすでに幼少の頃から、消費税は消費者が支払っていると、納税意識を教えこまれた青壮年層が育っている。税率が上昇すれば、所得階層によって逆進性は顕著になる。

せっかく予定調和の世界で回り続けていた納税意識も、税率上昇と逆進性の一言で、中心棒がブレてスピンバーストしてしまう。回転ドラム式の搾税機も、回転速度を下げて抽出する油の量を減らす他は無い。

 他に道があるとすれば、やはり個々人の納税意思をデジタル化する道だ。

 

以下、昭和初期のプロレタリア文学作品ふうに少し言葉を悪く使って伏せ字付で仕立ててみた。

 

✖✖✖法という決まり事をでっち上げられて、国民は回転搾油機に足蹴にして放り込まれたのか、自ら飛び込んだのかわからない。

誰が担税者か納税者かなど知った事では無い。ぐるぐると目が回った国民は、回転ドラムが右回りすれば消費者がたらたら。左に回れば事業者がたらたら。どっちに回転しても油が搾り取られてゆく。

しかも昼間は事業者、夜は消費者と国民は立場を変える。となると一日中油は搾り取られるわけだ。

それでも国民は慣れてきて、回転ドラムの中心にいれば、体内から搾り取られる油が少ないことに気づいた。しかしそれに気づいても低所得者はドラムの壁に張り付いたまま、強い遠心力には抗えない。

消費税の未来・財務省「消費税の軽減税率制度の導入」ページ読後感想

財務省ホームページで4月22日にアップされた「消費税軽減税率制度の導入」を読んだ。

www.mof.go.jp

なかなかの長文ページなので、仕事場のカラーレーザープリンターでA4版用紙に印刷した。概要と対象品目を除き17枚の頁数となった。用紙とインクがもったいないと思いながらも、仕事の合間に出先で目をとおすのだから仕方がない。

図表にイラストが添えてあり、これなら私にも理解ができるかなと思い、「適格請求書等保存方式の導入」を見始めた。現行制度・区分記載請求書・適格請求書の各保存方式が縦割りで三列に並んで比較ができるようになっている。

ところが見本の請求書に書かれている金額合計がどうしても合わない。六種類の請求書が並んでいるが、みな何かの行が省略されているようだ。やはり老眼鏡は欠かせない。メガネを掛けて見てみれば、牛肉5400円、割り箸5500円の下に省略を意味する小さい点が二つ打ってある。

次のページの「区分記載請求書等保存方式」の請求書の見本にはしっかりと点が三つ縦に並んでいるので、省略の意味はすぐに分かった。あまりにもつまらない感想で意味も無いが、点々は三つにしてポイント数を少し上げたほうがいいと思った。

まさかこのPDFを印刷して読む国民がいるなどとは、思っていなかったのかも知れない。しかし多額の税金を使って作られた制度であるのでおろそかにはできない。しかもこのPDFには、このブログの主題である、消費税の未来がしっかりと書かれている。

神は細部に宿るという言葉を思い出し、先の頁の一番小さい文字を見つけた。

(注)売上税額を「積み上げ計算」する場合には、仕入れ税額も「積み上げ計算」

と書かれている。何の事かと思い、三枚目の頁を見ると(端数処理による益税を防止)

と説明されている。つまり軽減税率対象品目8パーセントでは、12円以下の課税額の場合、小数点以下の端数の税額は切り捨てとなる。これは総売上金額から割り戻して税額を計算する方法を使わずに、売上金額に含まれる税額を「積み上げ」て受け取り消費税額を計算する場合には、控除される支払い消費税額も「積み上げ」て計算しなければならないという事らしい。

その益税に結びつくアルゴリズムもよく理解できないが、そんなこともあるのかと関心してしまう。たしかに消費者一人が一日0.99円分の消費税額を切り捨てられていたら、国民全体で、一日一億円以上の税収が減ってしまう。さすがに財務省の神の手になる技と思えば良いのだろう。

ただし10パーセントの標準税率で、本体価格10円以上の売買ならば、端数は発生しない。端数処理による益税額を言うよりも、請求先の取引相手の登録番号を記入したほうがもっと適格な請求書になると思いますがどうなんでしょうか。

しかしこの老眼の私でも一つだけ「訂正したほうが良いと思われる文言」を発見した。イラスト色付きページが終わって、「適格請求書等保存方式について」という題でローマ数字のⅠからⅤのⅣの部分に書かれている、「割返し計算」という表現だ。この言葉が三箇所使われている。ところがその下のⅤその他には、割戻しの計算となっている。

また前段のイラスト色付きページではすべて「割戻し計算」と表現されている。ここはどちらかに統一したほうが良いと思うが、ここにも何か別の意味があっての事でしょうか。

最後に零細な商人である私が二点申し上げます。ほぼ現金商売の私の店では領収書が基本資料です。その領収書という言葉が一度も出てこないのはよくわかりません。たとえば「適格領収書」「適格簡易領収書」という説明が無いのが不思議です。
台湾ではスーパーレジでの買い物も、事業者であることを述べると、レシートに事業者双方の登録番号(統一編号)が記入されます。請求書は商品の移動に添付されるもの。代金決済時の領収書もインボイスの役割を持つと思います。
さらに心配になるのは免税事業者から仕入れる場合は、仕入税額控除が出来ない。という二重線の部分です。もしそうなると免税数百万事業者は、課税事業者へ商品を売ることが難しくなってしまいます。
ここのところは現在の消費税と大きく変わってしまう点です。税制度が経済活動に影響をあたえることは、中立性を欠くと思います。
 
まさか軽減税率制度は始めから実現しない前提で、このPDFが作られたのでしょうか?
 

消費税の未来・憲法の趣旨に反しない消費税制度を考える

消費税に関する憲法問題は、以前から法律学者により指摘されている。

税経新人会全国協議会 - 憲法と消費税について

北野弘久氏の論文では二つの憲法原理に、消費税法がそぐわない事を述べている。

一つは応能負担原則の趣旨に反する。

二つめは担税者である最終消費者が法形式的に租税法律関係から排除される。

前回のブログに書いた「逆進性」と「転嫁」の問題に関わる点だ。

 

smarttax.hatenablog.com

 消費税法が施行されてから27年が経過する。仮に今年2016年を第二次世界大戦終結の年昭和20年に置き換えてみるなら、大正7年がこの制度が始まった年となる。

この大正7年は、シベリア出兵、第一次世界大戦終結、スペイン風邪大流行、米価高騰による米騒動があった年だ。

世界史の年表でもこの27年間は激動の時を刻んでいる。

しかし消費税法だけは、数度の改正が行われたにもかかわらず、基本構造は27年前の憲法上の問題点を抱えたまま現在に至っている。

現在でさえも、その基本構造に疑いを持たず、なんら工夫改良を試みる考えがほぼ存在していないと断定できる。

とは言え、社会保障費のために発行された国債残高を償還するために、消費税制度の存在を否定するわけにはいかない。

いつかきた道を繰り返さないためにも、また憲法の趣旨をおろそかにしないためにも、消費税制度を大きく変化させる時が迫っている。

具体的に述べる。

憲法上の二つの問題点を解消するためには、消費税額を最終消費者が直接、国庫へ納税する必要がある。つまり消費税が間接税ではなく、直接税にならなければならない。

納税する意思を持つ人が、能力に応じて消費税を負担する。これさえできれば消費税は理想の税制度になる。(積算支出税)

消費行動を行う場合、必ず決済行為が伴う。ATM,レジスター、クレジットカード決済、また現金で機械装置を使わずに代金を支払う事も多い。

電子機器を使った決済であれば、納税意思を電子化することも容易である。しかし現金でレジスターを使わずに買い物代金を支払った場合、その記録を電子化することは不可能とされてきた。

その現金の所有者が、銀行振込による給与所得者であれば、ATMから現金を引き出す段階で、その金額に含まれる定率の消費税額は電子記録が可能となる。

 しかし路上で営業する市場などの決済ではレジスターは使われない。現在一般に普及しているスマートホンを売買双方が所持していれば、路上での現金のやりとりも電子化は可能とはなる。

ところが、全ての決済を電子化する事は、実際には不可能と考えておいたほうが現実的である。現在段階で個々人の課税消費額をもらさず電子化する事が出来なくとも、その電子化する環境を5年、10年単位で整えてゆく方向性が大切となる。そして決して電子化されない決済に対しては、現在の消費税納税制度と融合、同時運用できる方法が有効と思われる。

そこで、憲法の理念に沿う税制度に近づくために、いくつかのステップを設定する必要がある。

第一段階・・・決済時の入力数値情報を現在の一つから三つに増やす。

この入力数値とは、本体価格、税込価格、実際に取引相手に支払った金額、の三つである。現在であれば常に税込価格と支払金額は同じ数値となる。レジスター、ATM,会計ソフト、の入力受付部に、三つの数値に対応する装置とプログラムが装備されなければならない。

第二段階・・・インボイス情報の電子化

決済時の個別取引税額情報を分散化して保存する。この保存先は全銀システムのIDE欄でも良いし、クラウド、ブロックチェーン技術による保存先でも良い。

第三段階・・・上記二段階のシステムの装備普及後の完成段階

この時点で、自らの支払うべき消費税額は、自らの所有する口座通帳から、直接国庫へ支払う選択ができる。数十年前から銀行口座通帳で実装されている、利子の源泉分離課税と同じ仕組である。自らの所得情報とリンクされる第四者機関内で、個々人の所得額と消費率に応じた累進消費税率は決定可能となる。

それでは消費税を消費者が直接国庫へ納税した場合、事業者の消費税申告はどうなるのか。受け取らなかった消費税額と支払わなかった消費税額を相殺したポイント数値を納税する。あるいはその数値をリセット消去する。という形になります。

 

ACCOUNT INFORMATION MANAGEMENT DEVICE, INFORMATION PROCESSING METHOD, AND PROGRAM

DISPOSITIF GESTION D'INFORMATIONS DE COMPTE, PROCÉDÉ DE TRAITEMENT D'INFORMATIONS, ET PROGRAMME

 

 

 

消費税の未来・安心してください消費税率は2%になります(二年間限定)

自ら気づくことは大切なことだ。このブログでも繰り返し述べてきた消費税制度の誤りや弊害が、ここにきてひろく認められつつある。

簡単に述べるなら以下の5点だ。

1,逆累進性(軽減税率問題)

2,転嫁(インボイス・益税問題・価格弾力性・滞納)

3,消費萎縮(価格表示と消費者心理・景気動向

4,消費税の目的税化誘導(財政赤字社会保障の問題を消費税負担にすりかえている)

5、格差(1の逆累進性の結果、発生する格差が意外と急速に広がりつつある)

もちろん以上の問題点は、消費税制度導入時から、叫ばれてきた。

それでも一時は、日本の消費税制度は世界でも非常によく出来た仕組みと、高く評価する意見も政治家の意見として聞いたことがある。

しかしそれは税率が5パーセントまでがぎりぎりであった。2014年に税率が8パーセントになって以来、ますます消費の意欲は失せ、本体価格表記が多くなったスーパーマーケットでも値引きの時間にあわせて買い物をするようになった。

この現実に率直に向かい合う意見を、4月21日のラジオ番組で聞いた。

「ザ・ボイス そこまで言うか!」21(木)のゲストは独立総合研究所社長・青山繁晴&内閣官房参与・経済学者・本田悦朗 | ニッポン放送 気になるしゃべりを掘り起こす「しゃベル」

もし現実に今月から来月にかけて、今後の消費税制度の根幹に関わる意思決定がなされるなら、私たち生活者の意識も大きく変化する。

具体的には消費税率の即刻5パーセントへの下方修正。もちろん軽減税率は無し。10年後を見据えた消費税直接納税制度の電子化システム導入の提案。そして納税者権利憲章・・・

未来への希望は大きく膨らむが、増税延期だけは現実のものとなってほしい。切実なのは、低所得者にとって、生きるための経済的な消費をするだけで、すでに十分に逆進的なわけです。

年間の所得額に対してラーメン一杯の価格でさえ、高所得者に比較したら、たいへん大きな比率を占めてしまいます。水道代もガス代も電気代も。もちろんそれで当たり前と思っています。

ところが税金の支払いだけは、消費する物品と違います。そこのところの痛みを解っていただきたいと思います。

この痛みに配慮をした方向性が、来月に聞けるのであれば、場合によっては鬱積した雲が風に飛ばされて、青い空が抜けるような気分になるような気がします。

できればこの二年間に支払った消費税額8パーセントの内、3パーセント分を返してもらいたい気持ちでは有りますが。でも返すのに手間がかかるようならば、今年から二年間消費税率を、2パーセントにしちゃいましょう!!

消費税の未来・セブンイレブンの隣にメガドンキがやって来た

 

東京23区内で初めてのメガドンキホーテが、板橋区志村に開店した。その隣にはコンビニのセブンイレブンが以前から営業している。

このブログでは、「益税なんて存在しないと思う理由をわかってほしい」というタイトルで、大規模店舗の隣に立地する小規模店舗の悲哀を述べた。

 

smarttax.hatenablog.com

 自動販売機を例にとり1月29日に書いたこの話は、ひとつの商品に対して供給が過剰になれば、販売価格も利益率も簡単に変動してしまう市場を描いた。

ドンキとセブンは双方ともに、零細、小規模とは言えない大企業だけに、簡単に自販機の例には当てはまらない。しかし双方店舗ともに売っている商品はほぼ重なる。

そこで今日のブログでは、一見劣勢に立ってしまったセブンイレブンを応援する立場から、事態の打開策案を勝手に考えてみたい。

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セブンイレブンとメガドンキ、売っている商品構成は似ているようだが、あきらかに異なる部分がある。

セブン銀行のATM。店舗に入ってすぐ利用できるコピーFAX、複合機。コンサートなどオンライン発券。公共料金などの支払い。新聞スタンド、雑誌、コンビニコミック売り場。そして本体価格100円で飲める挽きたてコーヒー。セブンブランドの食品、弁当。おにぎりの価格は高いが、税込80円台のドンキのおにぎりよりも種類も多い。同じおにぎりでもセブンには倍の価格の物もある。ただ忙しい中で昼食をほおばるためなら、ドンキおにぎりは、じゅうぶんに美味しい。どちらのおにぎりにも使われている食品添加物についての判断は、その食品を口にする本人に任せるほかはない。

4月1日に開店したメガドンキの営業時間は、朝9時から早朝5時までだ。もちろんセブンイレブンは24時間営業だ。この志村三丁目セブンイレブンには8台の駐車スペースがある。車を止めてすぐ目当ての朝食を買うこともできる。ドンキができる前から朝の時間にはレジに行列ができていた。そしてドンキオープン後の今でも、早朝の5時から朝9時まではセブンの独壇場である。

とは言っても、酒類飲料からスナック菓子、冷凍食品、日用品などドンキと商品構成上は、ほぼ重なってしまう。価格の面でもドンキの競争力はかなり強い。日中のセブンイレブンの客数は減っているのではないかとつい心配になってしまう。売り場面積と品揃え、価格いずれもセブンに勝ち目は無い。

そこで店舗面積が数十分の一のセブンイレブンが、巨大店舗の隣の立地という恵まれた状況を活かすことの出来る思いつきを、部外者の私が勝手に以下二つ、無責任な提案してみます。

イートイン主体の居心地よい空間の提供

 ひとつ目は、イートイン、デリカショップ、コーヒーショップとセブン銀行などの決済窓口、チケット・サービス、雑誌書籍販売を主力にする方法だ。ドンキには無いサービスで客を呼び寄せる。一般人の私の思いつくところはこの程度です。

セブンイレブン志村三丁目店の地形はL字型になっている。イートインのスペースを作るにはすべて建て替えて、二階建てにしないと難しい。実現性があるかどうかはまったくわかりません。駐車場をなくすわけにもいきません。

隣のドンキの客が心地よく過ごせるコーヒーショップ

ふたつ目は、ATMなどのコンビニ機能をのこしたままで、既存のコーヒーショップチェーンに営業してもらう方法です。スターバックスタリーズドトール、プロント、ベローチェなどなど。セブンの香り高いドリップコーヒーと競合する点に難点があります。でもドンキの従業員の方も休憩に来てくれるかもしれません。

ドンキ開店以降、目の前の環状八号線の歩道を往来する人の数は増えてはいますが、けっして波をうつほどの人数ではありません。大企業のご商売に、私が心配などする立場ではありませんが、目の前に展開する市場の原理が気になって書いてみました。

セブンイレブンに限らずコンビニは、近くて便利なサービスが取り柄です。近隣の住人たちもセブンを応援していると思います。そしてこれほど大きな建物を建て物販を志すメガドンキホーテ自体のご商売も応援しています。

 

消費税の未来・自動運転3D地図と消費税どっちが大事?

今日の夕方、運転をしながらニュースを聞いていた。すると世界各国で3D地図の研究開発競争がおこなわれているという。世界標準方式の3D地図を開発した国が、世界中の自動車を制御する基準を勝ち取れると言う話だ。

いまや自動運転技術というものが、まるで近い将来に実現化するという、前提で話題になっている。しかしそんなものが本当に必要だろうか?

もう二十年以上前に利用したが、成田空港の第二ターミナルの本館とサテライトを結んで走る「シャトル」という乗物があった。ようするに水平に走るエレベーターである。運転手のいないモノレールのような乗物だ。

たぶんいろんなセンサーがあちこちに付いているのだろう。たくさんの乗客がいっきに乗り込むと、アナウンスで最後に乗った方は降りてくださいと言う。安全最優先は公共交通の基本だ。ところがいつまでたっても出発しない。その後の事情は知らないのですが、2013年にこのシャトルは廃線になったそうです。300メートルの移動距離は、現在動く歩道に切り替えらている。

想像するに、たとえ自動運転する自動車が完成しても、その車はセンサーの塊になっている。車にとって怖いのは障害物だ。人、自転車、バイクはもちろん、高速道路上にただよう新聞紙やビニールシートのような落下物、人の眼ならそれがなんだか判断できる。それだけではない。反対車線から飛びかかって来る水しぶき。前の車が巻き上げる水しぶき。大粒のぼたん雪。秋には木の葉も巻き上がる。

なぜそこまでして自動運転に、巨大な企業が熱をあげるのだろう。国家でさえも。私は言いたい。その素晴らしい技術開発競争、30年待とうよ。と。その分野に関わる技術特許の取得は、もちろん早い者勝ち。しかし自動運転の車が走れるのは30年後。今から10年間の間に取得した特許では、利益は発生しない。

おっと、このブログの主題は消費税でした。たびたび私の主張している納税意思の電子化です。この納税意思も実は3Dなのです。三つの情報、測定軸は、本体価格、税込価格、そして実際に取引相手に支払う金額です。

この三つの数値のデジタル記録ができれば、三次元税率表は完成します。人間社会の優先課題は、どうしてもこちらの方だと思いますが、いかがでしょうか。

 

大竹文雄氏の「消費税が嫌われる理由」に消費税の未来を学ぶ

たまたま検索をしたら、大竹文雄氏の「消費税が嫌われる理由」というページに遭遇しました。日本経済研究センターのホームページです。

推測をすると、私のような経済、財政、税制に縁のない一般読者に、消費税の持つ特性を、わかりやすく説明をする意図で書かれた専門家の記事と思えました。

そこで私のような、商いをする消費税の納税者であり、生活者の立場で消費税を担税している庶民が、この記事を読んで、消費税に対する理解を深め、どのような感想を持つのかを、書いてみたいと思います。

原文を引用しながらその意味を探り、感想を述べます。

大竹文雄の経済脳を鍛える

2016年3月22日 消費税が嫌われる理由

直接税と間接税

 「消費税と所得税の違いは何か」と税法学者や財政学者に聞けば、「消費税は間接税で所得税は直接税」だと答えるはずだ。

その違いを一般庶民の私に問われたら、「税の負担者が支払った納税額を、課税庁に記録できるのが所得税。記録できないのが消費税」と答える。

  直接税というのは、法律上の納税義務者が最終的に税の負担者となることを予定した税だ。これに対して間接税は、法律上の納税義務者が商品やサービスの価格に税を上乗せして転嫁し、その商品やサービスの購入者が税の負担者となることを予定している。

 所得税というのは、所得税法上の納税義務者が税の負担者となる。源泉徴収制度では、その納税義務者は、納税者に該当せず、所得税法上の源泉徴収義務のある事業者が「納税義務」を負う。消費税も源泉徴収制度と同じく、消費者は納税者に該当せず、事業者が消費税の納税義務を負う。

 給与所得者を考えると、給与の支払いを受けている人が所得税の納税義務者で、その人が給与所得にかかる税金を負担しているから、所得税は直接税だということになる。

 源泉徴収制度を考えると、給与を支払っている事業者が、所得税の徴収義務者で、納税義務を負う。給与の支払を受けている人が徴収された税金額を、徴収義務者が法定調書に記載して、課税庁に提出することで、所得税法上の納税義務者と同じく、直接税の形で課税庁に所得税額が記録できる。 

 消費税の納税義務があるのは、商品やサービスを販売している側だ。しかし、消費税は価格に上乗せされているので、消費税を支払うのは、商品やサービスを購入する消費者だということになる。消費税と名前が似ている税金に支出税と呼ばれるものがある。支出税というのは、所得から貯蓄の純増分を差し引いた支出額に対して直接税として課税するものだ。直接税の場合は、税を支払う人に応じて累進的に課税することができるけれど、間接税の場合は比例税が原則になる。

 消費税の納税義務者は事業者だ。消費税額はコストとして価格の中に含まれる。ただし消費税の場合、事業者が上乗せした税額を、商品を買ってくれた人のIDとともに、法定調書に記載して、課税庁に提出することは無い。

支出税は、個々人の課税期間内の総所得、貯蓄の純増分、を公的認証記録しなければならない。課税庁がその記録を有せば、「税を支払う人に応じた累進課税が可能になる」たとえ間接税である消費税でも、個々人が支払った消費税額を公的認証記録することが可能であれば、累進消費税は実現する。 

 以上のように、消費税と所得税は、間接税と直接税で、全く異なるものだ、というのが、税の実務担当者の答えだろう。おそらく、一般の人もそう言われると納得するはずだ。

 以上のように、消費税と源泉徴収制度で事業者に徴収される所得税は、担税者から徴収をして、課税庁へ納税されるまで、手続き上では、全く同じ性格を持っている。というのが、知識のない一納税者の実感です。おそらく税の専門家もそう言われると納得していただけるでしょうか。

経済学者の理解

 経済学者は、所得税と消費税について一般とは異なる理解をしている。日本の所得税は確かに累進的になっているが、税率は既にかなりフラット化されている。多くの人は少し所得が増えても、直面する税率そのものは変わらないだろう。特に、住民税なら定率の10%になっている。そうであれば、追加的に得られる所得に対してかかってくる直接税と追加的に支払わねばならない消費税では、支払う側にとっては、どちらも同じような負担になるはずだ。その意味で、フラットな税率の所得税と消費税の間には、実質的な差がないと多くの経済学者は考えているのだ。

先進的経済学者の理解

 先進的経済学者は、所得税と消費税について一般とは異なる理解をしている。日本の所得税は確かに累進的になっているが、実質税率は既にかなりフラット化されている。控除額があるため、少し所得が増えても、適用される実質税率そのものは変わらないだろう。実質税率とは、基礎、扶養、配偶者、保険料、医療費などの所得控除を収入から差し引き、さらに控除額を差し引いた、課税所得金額に対する税率を言います。

例えば課税所得金額が200万円の場合、名目税率は10%ですが、課税所得金額に対する実質税率は約5%です。

ここで大竹文雄氏の超先進的な試みがなされる。所得税を消費税目で徴収する。または消費税を所得税目で徴収する。どちらが一般に好まれるかという課題だ。

仮に収入が400万円で所得控除が150万円であれば、課税所得金額は250万円となる。所得税額が仮に20万円であれば、実質税率は5%になる。

収入が400万円の所得階層の、消費税課税支出が、半分の200万円と仮定するなら、年間の消費税額は、8%で16万円になる。所得税額と合計して、36万円。実質税率が9%になるような、名目税率を初めから設定すれば良いことになる。

逆に消費税目に所得税を合体させるなら、消費税率は18%になる。(36割る200)

しかしこのような計算を、各所得階層と個々人の生活環境の違いによる消費率の違いによる試算を繰り返す事は、このブログではできません。

少なくとも、大竹文雄氏の超先進的な試みは、消費税の未来のさらに未来に新しい地平をひらくものと思えます。その第一段階は、個々人の消費税課税消費額を、公的認証記録する事となります。そのためにも「納税意思額」を決済の度ごとに、記録するICTを利用したシステムの実現が必要となってきます。

大竹文雄氏の原文の後段で、

消費税率が8%の場合、約7.4%の定率の所得税と等しい税負担になる。

とあるのは、累進消費税率が実現した場合の、中央所得額、中央消費率に該当する個人に適用される基準消費税率でもあることを、お知らせしておきます。計算式は、

108 割る 8 イコール 7.4074% です。

10%の場合なら、10 割る 110 イコール 9.0909% です。